カーナビ用USBモデムのAPN設定を変更した(ND-DC2)

カーナビ用USBモデムのAPN設定を変更した(ND-DC2)
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私の車はホンダアコードでインターナビというカーナビが搭載されている。このナビはインターナビルートという高性能なルート検索機能があり、これはルート検索をホンダのサーバが処理することで時間帯や曜日等の多数のパラメータから適切なルートと到着時間を割り出してルート設定される仕組みのものだ。サーバで処理されるという性質上、サーバとの通信が必要のため通信モジュールをインターナビに装着する必要がある。

私のアコードは2008年製で10年以上古いモデルだ。通信には当時ウィルコムのPHSの通信モジュールを使用しているのだが、これが今年にはサービス停止となる。ただインターナビはまだ継続して使いたいので代替モジュールを探しているが古いモデルのため現在では入手できないものばかりだ。また通信費は安価な格安SIMで済ませたいという考えもある。

そこでネットで色々調べたところインターナビではなくカロッツェリアになるが、標準の通信モジュールを設定変更して格安SIMで運用しているというブログを見つけたので実践してみた。カロッツェリアの通信モジュールはUSBモデム(ND-DC2)を使っているが、このモデムのAPN設定を書き換える方法だ。ただ結論を先にいうとインターナビでは使えなかった。「対応していないUSB機器」と出てしまう。カロッツェリアのカーナビでND-DC2がサポートされていれば使えるネタと思う。

まずはUSBモデムとシリアルで通信するためminicomをインストールする。以下Macでの手順となるがWindowsの場合は何かしらのTerminalソフトが必要と思われる。

brew install minicom

USBモデムをMacに接続するとデバイスファイルが作られるのでminicomで指定して接続する。デバイスファイル名は環境によって変化すると思われるのでls -ltr /devで接続した時間帯の/dev/tty.usbmodem*を調べるとよい。

minicom -D /dev/tty.usbmodem14103

以下のメッセージが出力されれば正常に接続したことになる。

Welcome to minicom 2.7.1

OPTIONS:
Compiled on Oct  6 2019, 23:16:03.
Port /dev/tty.usbmodem14103, 15:23:30

Press Meta-Z for help on special keys

次にATATZコマンドでOKの応答が帰ってくるか確認する。OK応答があれば正常だ。

AT
OK
ATZ
OK

APN設定をする前に設定できる値をAT+CGDCONT=?で確認する。

AT+CGDCONT=?
+CGDCONT: (3-16),"IP",,,(0-2),(0-4)
+CGDCONT: (3-16),"PPP",,,(0-2),(0-4)

上記結果を見ると(3-16)とあるのでCIDという値には3〜16が指定できることがわかる。今回は3を使うこととするのでAPN設定コマンドは下記となる。また3番めの項目はAPN名を設定するが下記例ではsoracomの場合の記述としている。なお以下よりSIM関連の設定はsoracomの場合を例としているので、使用しているSIMによって適時読み替えてほしい。

AT+CGDCONT=3,"IP","soracom.io"
OK

OKの応答が帰ってくれば正常に登録できたことになる。登録結果を確認するにはAT+CGDCONT?コマンドを実行する。

AT+CGDCONT?
+CGDCONT: 3,"IP","soracom.io","0.0.0.0",0,0

OK

これでUSBモデムのAPN設定は完了となる。あとはUSBモデムをカーナビに接続して発信先電話番号を*99***3#としてユーザIDはsora、パスワードはsoraと設定する。カロッツェリアのカーナビであればこれで格安SIMでつながるだろう。

最後にホンダには古いインターナビユーザの救済策をお願いしたい。営業的には買い替えてくれるオーナーが大事だと思うが、ホンダの車を気に入って乗り続けているオーナーも大事にしてほしい。



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